コウラのアメリカ留学生活 ~子育て、英語教育、アイスホッケー、文化の違い、株~

子育てやアメリカ生活などを通して感じたことの雑記。子育て、英語教育、アイスホッケー、日本と米国の文化の違い、株など。

英語学習法について(その6)「書く」の学習方法

コウラです。

 

前回に引き続き、今回は私なりの「書く」の技能の学習方法を書きます。

 

【書く】

この技能の目標は素早く正確に英文を書くことができるようになることです。英語学習法について(その3)にて書いたとおり、英作文の例文集などの例文をすべて型として身に着ければ、ライティングについて困らなくなるのですが、これについてもう少し詳述します。

 

まずライティングについて第一にすべきことは、英作文の例文集の例文をすべて型として身につけてください。いついかなる状況下においても、その例文を口から滑らかに出せるようにしてください。これは単純に暗記力が問われる課題ですが、最初からすべての例文を完璧に覚えずとも、例文集全体を何度も繰り返し読むうちに徐々に身につければよいです。

例文集に限らずあらゆる英語の学習、あるいは数学や物理などあらゆる勉強において、はじめから理屈や解法を完璧に理解しようとせず、1周目は70%ほどの理解度で全体をさっと終わらせ、さらに同じ学習書を3周程度繰り返せば、繰り返すうちに必要な知識が身につくものだと思います。

また、英作文の例文集ではありますが、黙読で暗記するだけでなく例文を口から出して覚えてください。これは次回説明する「話す」のトレーニングになることはもちろんですが、型を身に着ける際には、あらゆる切り口から型にアプローチすると身につくのが早まります。

 

それでは、例文を型として身につけたあとに、実際の日常のライティングに型をどう生かしていくかについて説明します。

ライティングで大事なのは日本語を作り変える力です。いかに自分が書きたいことを自分の知っている英語の型で表現できるようにするかという能力です。たとえば、「トムが傷つかないようにしつつ説得してみた」という文章を英訳するときに、そのまま英訳しようとせずに、英訳しやすいように意味をそのままに日本語を変化させます。この場合、「トムが傷つかないやり方で説得を試みた」として、"We tried to persuade Tom in a way that did not hurt him."とします。"in a way that ~"という部分さえ型として身につけておけば、簡単に導くことができますよね。日本語の微妙なニュアンスは英文には反映されてないかもしれませんが、伝えたいことはちゃんと伝えられています。このように、ライティングでは伝えたいことさえしっかり伝えられれば、大筋とは関係のない部分は削ぎ落すなり別の簡単な言葉に置き換えるなりする能力が必要です。

もう一つ例を挙げておきます。「東京に大地震が起きたら日本はどうなるのだろう」と書きたいときに、「どうなるのだろう」を言い換えて「何が起こるのだろうか」とします。そうすると、"What will happen to Japan if a major earthquake hits Tokyo."とできます(将来起こりそうでないと思うのであれば、仮定法未来を使って"What would happen to Japan if a major earthquake should hit Tokyo."でも良いです)。

 

このように、ライティングでは、まず表現の主軸となる「型」を身につける必要があり、そして自分が書きたいことを自分の知っている表現に修正する能力が求められます。これは次回の「話す」においても同様です。

英語学習法について(その5)「聞く」の学習方法

コウラです。

 

前回に引き続き、今回は私なりの「聞く」の技能の学習方法を書きます。

 

【聞く】

この技能のまず第一の目標は、早口で癖のある話し方のアメリカ人の話を理解できるようになることでしょう。

イギリス人の英語の方が聞きやすい気がするので、あえて「アメリカ人」と書きました。なお、第二の目標は非ネイティブの早口で癖のある話し方でも理解できるようになることです。正直に言って、私の周りの中国人やインド人、ブラジル人の独特のしゃべり方の癖にいつまでたっても慣れることができません。。。ちなみに、アメリカ人から「日本人の話し方はかわいい」と言われたことがあります。

 

リスニングで英語を理解できない原因は以下の5段階に分けることができます。

  1. 相手がしゃべった英文の中にある単語を知らない
  2. 単語を知っていても、正しい発音を知らない
  3. しゃべりが早すぎて正確に聞き取れない
  4. リンキングや英語独特の発音の変化を知らない・慣れていない
  5. 相手がしゃべった英文を、文章として理解できていない

 

1.相手がしゃべった英文の中にある単語を知らない

まず単語を知らなければ相手の話を理解できるはずがありませんよね。日本語であれば知らない単語があっても前後の文脈から推測できたりしますが、英語の場合にこれをできるのは上級者のみでしょう。なぜなら、知らない単語の意味を推測するには、その前後をほぼ完璧に理解できていなければならないからです。また、知らない単語があった場合、その前後にある知っている単語でさえ、知らない単語に聞こえてしまうおそれもあります。簡単な例を挙げると、refusalという単語を知らないとして、mass refusalと相手が言った場合、せっかくmassという単語を知っていても、massrefusalという(実際には存在しない)知らない単語に聞こえてしまう可能性があるということがあるということです。これは前後から文脈を推測する妨げになりますよね。

実際の会話においては知らない単語があれば聞き返して別の言葉に言い直してもらえば済むものですが、あまりに頻繁に聞き返すのも相手に悪いですし、円滑な会話に支障が出るので、自身の語彙力を高める必要があるでしょう。

 

2.単語を知っていても、正しい発音を知らない。

この場合も1と同様ですが、より深刻な問題と言えるでしょう。なぜなら、あなたは単語を覚える際につづりからなんとなくこんな発音だろうと想像して暗記していませんか?そのなんとなく想像した発音を何度もつぶやきながら、あるいは頭の中で繰り返しながら暗記していませんか?さらに、そういう覚え方を英語を始めた中学生のころからやっていませんか?日本人には、これが当てはまる人が少なくないのではないかと思います。つまり、小さいころから覚えていた発音が、実は正確な発音ではない可能性があるということです。簡単な例では、allowという単語の発音をあえて日本語で書くと、「」に近いですよね。しかし、この単語を始めて見たときは「アロー」だと思いますよね。また、policeは「ポリス」だと思っていませんか?「リー」(※リにアクセントがある)が正しい発音です。日本語になっている英単語は要注意です。

※英語の発音を日本語で書くのは、英語の発音は日本語で表現できるという誤った認識を持たせてしまうため、本当はやるべきではないのですが、ここでは説明の簡便化のため使わせてもらいました。英語の発音は日本語では表現できないということを絶対に覚えておいてください。

 このような間違った発音で一度頭にインプットされると、それを修正するのはより大きなエネルギーが必要なので、「より深刻な問題」なのです。これを克服するには、発音記号の読み方を学び、あるいは実際の発音を聞いてみて、地道に一つ一つ正しい発音を知ることしかありません。

 

3.しゃべりが早すぎて正確に聞き取れない

相手が発音した英文について上の1,2をクリアしていても、しゃべりが早すぎて耳が追いつけないために理解できないことはよくあります。これを克服するには、リスニング教材などで早すぎるために聞き取れなかった部分を繰り返し聞いて慣れることです。また、聞き取れなかった部分を自分で何度も発音し、そのフレーズに慣れるということもとても効果があります。このとき、できるだけ耳で聞き取った音としゃべり方の抑揚を真似て発音してください。

 

4.リンキングや英語独特の発音の変化を知らない・慣れていない

英語には日本語と違ってリンキングや独特の発音の変化があります。リンキングはリエゾンとも呼ばれます。たとえば、need itの発音をあえて近い日本語で書くと「ニード・イット」になりますが、実際はリンキングが発生して「ニーディット」になります(しつこいようですが、ここでは説明のために発音を日本語で表現しているだけなので、発音を日本語で覚えたりするのはやめましょう)。イメージとしては、needitという単語を発音している感じです。これはたびたび発生するので、必ず覚えておき、慣れておく必要があります。

次に、英語独特の発音の変化について説明します。1つ目は、英語では母音の前のtをrと発音することがあるということです。一番有名なのはshut upを「シャラップ」と発音することでしょう(なお、ここではリンキングも起こっています)。イメージとしてはshurupという単語を発音している感じですね。ほかにはwhat isをwharisと発音することや、interviewをinrerview、amount ofをamounrofと発音する感じです。この独特の変化を実際に使うかどうかは人によります。ただ私の個人的な認識では、アメリカ人の方がイギリス人よりもこの変化をよく使います。なお、単語の先頭のtはrにはなりません。たとえばterrainはrerrainとは発音されません。

2つ目として、単語の初めのhを発音では省略することがあります。たとえば、himという単語を発音する際に、imとしか発音しないということです。これは、省略候補となりうる単語の重要性が、その文章中で低い場合によく起こります。たとえばI asked him.という文章中で、その前までの会話から尋ねた人が「彼」であることが自明である場合は、himという単語の重要性は低いと言えるでしょう。その際、「アアスクトウイム」という感じに発音されます。

これらのほかにも英語にはかなり多くの独特な変化があるので、申し訳ありませんが全て取り上げるのは困難です。あなたがリスニングの学習をする際に、どうしても解答文のように言っているように聞こえない場合は、発音が変化している場合があります。私はそういう英文に出会った場合は、再生スピードを調節できるソフトなどを使ってスロー再生して、これは発音が変化しているんだなと確認しています。

これらのリンキングや発音の変化があることを知らなければ、知っている単語でも別のもののように聞こえたり、聞き逃してしまうことがあります。これには慣れるしかありませんので、リスニング教材を使ってこれらが発生している部分を何度も聞きなおし、こういう風に発音するものなのだと慣れてください。

 

5.相手がしゃべった英文を、文章として理解できていない

これはどういうことかというと、相手がしゃべったことはちゃんと聞けたのだが、英文を日本語に訳したり、あるいは英文を英文のまま理解するのに時間がかかるために、言っていることが理解できないということです。たとえば、相手がVarious European corporations, including financial institutions, department stores and petroleum companies, have issued credit cards in partnership with international credit card firms.と言った場合に、この文章をすべて聞き取ることはできたものの、それをコミュニケーションに必要な程度の速さで瞬時に理解することができないということです。これは文章が長かったり、文法的に難しかったりする場合に起こりがちです。

これは「聞く」ための技能の問題ではなく、英文を読んで理解するスピードが遅いということなので、むしろ「読む」の技能を伸ばさなくてはなりません。より早く正確に英文を読めるようにトレーニングをしましょう。

 

 

長々と説明してきましたが、いかがでしたか。リスニングが苦手な場合、やみくもにリスニングの学習を行うのではなく、自分が上の5段階のうちどのレベルでつまずいているのかを確認し、それぞれにあった学習を行う必要があります。

最後に、リスニングを向上させるためには音読とディクテーションが最も効果があります。音読については前回も説明したとおり、漫然と口から英語を出すのではなく、一文一文に気持ちを込めて話してください。少し大げさなぐらいにネイティブの抑揚や発音を真似しながら話すとよいでしょう。音読もディクテーションも有名な勉強法なので詳細はネットで検索してください。

英語学習法について(その4)「読む」の学習方法

コウラです。

 

前回まで、英語学習とスポーツの類似点、「型」の重要性について書いてきました。今回から数回に分けて、これまでを踏まえて英語の4技能をどのように向上させるのかについて書きたいと思います。

 

【読む】

まず、英語を「読む」ための能力について説明します。前回書いたとおり、この技能の目標はより速く正確に読めるようになることです。正直なところ、この技能は日本人が最も得意とするものなので、それほど詳細にあーだこーだと説明する必要はないかと思います。前々回に説明した文法力、単語力、英語の体力の3つを向上させればよいでしょう。ここでは、英語の型を意識して勉強する必要はありません。もちろん型を意識してもらってもよいですが、この技能のために型を身に着けるのは時間がいくらあっても足りません。

 

なお、単語力について一つ言うならば、単語は英単語を見たら一瞬で訳語が出てくるまで覚えてください。たとえばworldと聞いて「世界」と出てくるぐらいの速さです。意味がいくつもある単語の場合は、まずは辞書の一番上に出てくる意味を覚えて、それを完璧にしてから次の意味を覚えてください。一つの単語について何個も意味を覚える際は、はじめから何個も覚えようとせず必要に応じて覚えていくとよいでしょう。また、覚える際には、黙読で覚えるだけなく、口に出して覚えることも有効です。これは単語の正確な発音を身につけることにもつながります。さらに、耳で覚えることも有効です。ipodなどで単語の音を聞き、2秒後に日本語が流れるようにすれば、2秒間のうちに日本語を答えるという暗記作業ができるようになります。

 

 また、英文を2度読みすることは時間の無駄なので、1度で理解できるようにしましょう。これをできるようになるには、多読と音読が有効です。音読をする際の注意点として、英文を目で追って何も考えずにただ英文を発音するのではなく、あたかも自分の考えを誰かに発表しているかのように気持ちを込めて1文1文を読み上げてください。音読は1度だけではなく、先頭の単語を見ればその後の文章がそらで口から出てくるぐらいになるまでやります。特に、意味が取りにくかった英文についてこれをやるのが効果的です。

 

今回は短いですが、次回の【聞く】の技能の説明が長くなりそうなのでここまでにしておきます。

英語学習法について(その3)英語の型

コウラです。

 

前回は英語がスポーツであると書きました。そして、英語の各技能(読む、聞く、書く、話す)を向上させる方法にもスポーツとの類似点があると。

 

では、各技能はどのように向上させるのでしょうか。野球の「打つ」の場合、まず素振りがあります。何度も何度も素振りをすることによって正しいスイングの「型」を体に染み込ませます(同時に、打つのに必要な筋力も鍛えています)。これと同様に、例えば英語の「書く」の場合、英作文があります。多くの英作文をこなし、正しい英語の使い方を身につけることによって、英語にもある「型」を自分のものにします(同時に、知らない単語があればそれを覚えています)。私は、スポーツにおいても英語においても、各技能を向上させるためには各技能の型を身につけることが必須だと考えています。

私は勝手に「型」と呼んでいますが、これは私にとって英語学習を語る上で非常に重要な考え方です。

 

柔道であれば正しい背負い投げの「型」があります。練習で正しい背負い投げの型を身につければ、本番でも正しい背負い投げができます。

実際は相手が防御するのでそう簡単にはいかないでしょうが、ここではシンプルに考えてください。

英語の場合は、例えば I like ~という文章が1つの(最も基本的な)「型」です。これを身につけておけば、実生活でWhich animals do you like?と聞かれたときにI like a dog.または I like a cat. と返答することができます。I like ~. を身につけておけば、~の部分に適当な単語を入れることで「私は~が好きです」と表現できるようになります。同時に、相手がI like vegetables. と言ってきた場合はこの人は野菜が好きなんだなと即座に理解することができるようになります。

当たり前だと思うでしょうが、私は英語の4技能の向上、特に「聞く」「話す」の向上にはこの「型」をより多く身につけることが重要だと考えています。

 

この型の重要性をよりよく理解するために、もう2つ例を用意します。

足を怪我した人などに対して、医者が「あなたは数週間以内には歩けるようになります」と言う場合、You will be able to walk in a couple of weeks. となります。ここではYou will be able to ~と in a couple of weeks が「型」です。

型を身につけていなかったときの私は、まず「歩ける」だから you can walk か...?いや、未来形だからwillが先にくるから、canじゃなくて will be able to じゃないとだめだな...。「以内」ってどう言うんだっけ?ああそうか、"in"か。「数週間」は…"a couple of weeks"だな。などと数秒間考えて、先ほどの文を導いていました。これでも英作文としては全く問題ありませんが、会話となると数秒間のタイムラグは円滑なコミュニケーションの弊害になります。

そこで、You will be able to ~とin a couple of weeksという型を身に着けておけば、タイムラグなく即座に先ほどの文章を思いつくことができます。ここで、「型を身につける」というのは、いついかなるときでも即座に口から出せるようにするということです。泥酔して意識が朦朧としているときでも、盲腸でお腹が猛烈に痛いときでもです。

 

型を身につける重要性は、構文が複雑になればなるほど増してきます。たとえば If I had known the content of the exam, I would have passed it. という仮定法過去完了の文章について、英作文では簡単に書けても口からすらすらと出てくる方は多くないのではないでしょうか。ここでは、"If I had known ~, I would have p.p."という部分を「型」として身につけます。この型を身につけておけば、「もし~を知っていれば、~だっただろうに。」という文章を簡単に口から出せるようになります。また、逆に誰かがこの型を使った文章を言ったときに、即座に理解することができます。

 

英語のコミュニケーションは、このような「型」をいくつも駆使して行うのです。それはあたかも野球選手が守備時に正しい捕球の「型」、スローイングの「型」を流れるように使うことや柔道選手が正しい足払いの「型」、背負い投げの「型」、防御の「型」を連続的に使うことと同じです。そして、これらのスポーツ選手が正しい「型」を習得するために血のにじむような努力を続けることと同様に、英語学習者は正しい英語の「型」を努力して身につけなければならないのです。

 

では、英語の型の重要性を説明したところで、英語の各技能ごとの型について説明します。スポーツにおいては、各技能の型はその技能のためのみに存在します。例えば、野球選手の正しい捕球の型は守備の技能にのみ必要なものです。しかし、幸運なことに英語の型は4つの技能すべてに使うことができます。例えば、上記の If I had known ~, I would have p.p. を身に着けておけば、読む、聞く、書く、話すのすべての技能に使うことができます。この型を身につける重要性を、各技能ごとに説明します。

  • 読む:英文を読む上で目標となるのは、より早くより正確に読むことです。型を身につけると、この目標の達成が容易になります。例えば、仮定法を習いたての高校生が長文を読んでいる際に、仮定法過去完了の文章があると読解スピードが遅くなることは想像に難くありません。しかし、この型を身につけておけば、文章中に If I had known ~, I would have p.p. という文章があったとしても読解スピードは落ちることがなくなります。もちろん、型を身につけていなくても文法事項として知っていれば読んで理解することはできます。ここで重要なのは、型を身に着けていない人は、身につけている人よりも読解スピードが格段に落ちるということです。
  • 聞く:英文のリスニングについても上記と同様です。もし相手が If I had known ~, I would have p.p. としゃべったら、型を身につけていない人では一瞬理解ができずに固まる可能性がありますが、型を身につけていれば固まることなく続きを聞くことができます。ネイティブの話を聞いているときに思考が一瞬固まることは致命的です。ネイティブは話すのが早いので、固まっているうちに次の文章まで言われてしまい、続きを理解できなくなってしまうからです。
  • 書く:これも「読む」のときと上記と同様です。自分が If I had known ~, I would have p.p. という文章を書きたい場合は、型を身につけておけばすらすらと書けますが、身につけていない場合は記述のスピードが落ちるということです。これは普段ならばそこまで問題にはなりませんが、時間制限のある中で英文を書く際などには若干問題となるでしょう。
  • 話す:これについては、ここまで上記に書いてきているのでもうお分かりでしょうが、型がその真価を最も発揮する技能です。型があるかないかでコミュニケーションの円滑さに雲泥の差ができます。もちろん、型を身につけていなくとも、その場で考えて口にすることはできますが、考えている時点でしゃべるのに時間がかかってしまいます。また、考えたことを口に出す際にも、たどたどしくて流暢な英語ではないことが多いでしょう。しかも、文法などに自信がない場合、はっきりとしゃべることができずにボソボソとした自信なさげなしゃべり方になってしまう可能性すらあります。上で述べたとおり、「型を身につける」とは「いついかなるときでも即座に口から出せるようにする」ことなので、型を身につけておけばすらすらと流暢な英語を話すことができます。

このように、型は各技能で使うことができ、各技能においてメリットがあるものなのです。

 

それでは、英語でコミュニケーションするためにはあらゆる英語表現を型として身につけておく必要があるということなのでしょうか。もちろん多くの型を身につけておくに越したことはありません。しかし、それは多くの英語学習者にとって時間的に厳しいでしょう。そのため、まずは英作文の例文集などを買い、掲載されている文章をすべて型として身につけることがよいでしょう。おそらく、これだけで話すことと書くことについてはあまり苦労することはなくなるでしょう。

数百文の英文を身につけるだけで「話す」「書く」に苦労しなくなるのであれば、かなりお得ですよね。

 

しかし、聞くことにはまだ苦労することがあると思います。それはなぜか。単純に言えば、聞くためには英語の音を正確に聞き取る力が必要だからです。

これについては、次回以降に詳細に説明します。なお、前回説明したとおり、これまで書いてきたことは文法力、単語力、英語の体力があることが大前提です。

 

次回からは、英語の4技能について、型の考え方にも触れつつ、それぞれどのように伸ばしていくべきかという勉強法について書いていきます。

英語学習法について(その2)英語はスポーツ

コウラです。

 

本日は前回の続きとして、自分なりの英語力の上げ方を書いていきます。あくまで私の個人的な考え方なので、人によっては正しくないと感じることもあるかもしれません。

この記事から数回に分けて、受験英語やTOEIC、TOEFLの点数ではなく、実際に現地でのコミュニケーションに必要な英語力の上げ方を書きます。しかし、それは引いては本物の英語力の底上げにつながり、結果的に受験英語などのための英語力を上げることにつながるとは思います。

 

まず大前提として、自分は英語はスポーツだと思っています。それは野球やテニスなどのスポーツの練習と英語学習に数多くの類似点があるからです。

 

分かりやすい例から挙げていくと、英語の文法はスポーツのルールに該当します。野球のルールも知らずに野球の実力は上がるはずがないので、まずはルールを覚える必要があります。同様に、文法を知らずに英語力は上がらないので、まずは文法を覚える必要があります。

次に、英語の語彙力はスポーツをする上での筋力に該当します。ルールを知っていても筋力不足の虚弱な選手では活躍できないのと同様に、文法を知っていても単語を知らなければ英語はできません。つまり、筋トレをすることは英語学習では単語を覚えることに相当します。

さらに、英語学習においてもスポーツにおける「体力」に相当するものがあります。簡単に言えば集中力のことです。一日中外国人と話したり、英語のテキストを読んだことのある方であれば、最後の方はもう簡単な英文を読むのさえ億劫なほど疲れ果ててしまった経験があると思います。私はこれを英語の体力と考えています。これがなければ、例えば大学院の講義の宿題のために1週間で英語の専門書100ページを読むことはできないでしょう。スポーツにおいてランニングなどで体力をつけることは、英語学習において多読などで英語の体力をつけることに相当します。

 

さて、もうお気づきと思いますが、文法と語彙力と英語の体力があれば十分なのかというと、当然そうではありません。スポーツにおいては、ルールを知っていることと十分な筋力、体力があることを土台に、いくつかの技能を習得していく必要があります。技能とは、野球の野手では打つ、走る、守るのこと、テニスではサーブを打つ、ラリーをするのことです。英語の技能は言うまでもなく読む、聞く、書く、話すです。

英語学習において各技能を向上させる方法についても、スポーツとの類似点があります。これについては次回で詳述します。

 

 

英語学習とスポーツの類似点はまだあります。部活などでスポーツをしていた方はお分かりでしょうが、スポーツには練習、練習試合、試合があります。英語の「練習」は、例えば単語を覚える、英文を読んだり書いたりするなどの普通の勉強です。では英語の「試合」とは何でしょうか。これは英語を学んでいる人の目標です。例えば、ビジネスで英語を使いたいと考えている方にとっては、会議で英語で発表をしたり外国のビジネスパートナーと英語で商談をしたりすることでしょう。六本木のバーなどで外人と楽しくおしゃべりするのが目標の方にとっては、外人とおしゃべりすることが「試合」になります。そして、英語学習の「練習試合」とは、試合を想定した場面で英語を使う練習をすることです。つまり、英会話学校でネイティブの講師と話したりランゲージエクスチェンジのパートナーと会話したりして練習することです。

ここで重要なのは、練習試合ばかりしていても上手にはならないということです。練習試合しかせずにスポーツが上手になることはありません。練習試合から得られた反省点などを練習で修正し、それをまた練習試合で試して…と繰り返して自分の能力を向上させ、それを試合で発揮するのです。英会話学校でネイティブの先生と話しているにもかかわらず、あるいは留学生と英語でずっと会話しているにもかかわらず英語力が一向に伸びないという場合は、おそらく「練習試合」にばかり時間を割いて「練習」に時間を割いていないというケースが多いでしょう。英会話学校でこんなことを言いたかったけど言えなかった、ということがあればメモしておき、後で自宅学習において確認するという「練習」が必要です。

 

私個人のスポーツの経験としては、時間の取り方は練習77%、練習試合20%、試合3%ぐらいでしたが、英語学習の場合は個人の英語のレベルや個人の目標にも左右されるので、どの程度それぞれに時間を割けばよいかは一概には言えません。しかし、少なくとも練習に50%は時間を割いた方がいいでしょう。英語力が低いうちは練習に力を入れて、英語力の向上とともに練習試合の割合を増やしていく、という方向性がいいと思います。

 

英語学習のスポーツとの類似点をもう一点挙げておきます。それは、どちらも数日間さぼると実力が落ちるということです。スポーツでは3日もさぼると体がなまって3日前と同じ動きはできなくなります。少しずつでもいいので運動を続けることが大切です。同様に、英語から3日も離れると英語力は落ちます。そのため、英語力を上げるには少しずつでもいいので常に英語に触れ続ける必要があります。

 

 

これまでスポーツと英語学習の類似点を挙げてきましたが、どのように感じましたか?先にも述べた通りこれはあくまで私の一個人の意見ですが、おおむね賛同してもらえるのではないかと考えています。そのため、私は英語学習するときはスポーツのトレーニングをするような気持ちで机に向かっています。

次回は、上で述べた英語の4技能を向上させる方法について述べたいと思います。

英語学習法について(その1)

コウラです。

 

さて、意気揚々とブログを始めてみたものの、すでに何を書こうか迷っているという状態です。というのも、前回言ったとおりこのブログは娘の成長記録をつづることが第一の目的なのですが、肝心の娘は来年生まれる予定ですので、これについてまだ書くことがありません。

エコー検査等で確認できる成長については書けますが、自分のイメージしている成長記録とはちょっと違うのでここでは書かないでおきます。無事に生まれたらそこから書きはじめるつもりです。

 

となると、私がアメリカ生活などを通して感じたことを書こうかなということで、娘が生まれるまでは自分の考えや感じたことをつらつらと書き連ねていきます。実はアメリカに来てからもう1年以上経つので、この1年で学んだこと、感じたことを過去を振り返る形で書いていきます。そして、娘が生まれてからはそれからのことを書いていきたいと思います。

 

ということで、まずは多くの方が関心があるであろう、そして自分自身も現在進行形で四苦八苦している英語学習について書いていこうと思います。将来娘が英語を勉強する際に役立てばいいなと思って書いていきます。

 

まず前提として私の英語の実力を4つの技能ごとに概説します。

リスニング

アメリカの日常生活にはほとんど苦労はしませんし、大学院の講義は気合を入れて聞けばだいたい分かります。しかし、字幕なしの映画は半分程度しか理解できず、ラジオなんかの音声のみの場合はほとんど分かりません。

要は、相手がだいたいこんなことを言ってくるだろうなと映像や文脈から予想がつく場合はまあまあ理解できますが、それらがない場合は理解が難しいです。

客観的な数値としては、5年前に受けたTOEICが正答率90%程度でした。TOEFLは2年前に受けた最もいい点数が23点ぐらいでした。現在はこのときよりもはるかにリスニング能力が上がっていると感じています。

リーディング

こちらも日常生活にはほとんど苦労はありませんが、受験英語には出てこない単語などは知らないことが多いのでその点では苦労します。大学院のテキストを読む際も専門用語の問題があり、それに加え、難解な言い回しや文法表現が多いテキストもあり(著者によって難しさが全然違う)、スッと頭には入ってこないものが多いです。正直なところ、TOEFLで苦労していたのがばからしくなるぐらい難しいです。

こちらの客観的な数値は、TOEICは正答率75%程度、TOEFLは27点ぐらいです。こちらも今ならばまあまあ上がっていると思います。

ライティング

日常生活でライティングをすることは、ちょっとしたメールを打つ程度しかないので習熟度はよく分かりませんが、大学院のレポートでは毎週バリバリ書いています。今まで教授などからお前の書いていることの意味が分からないと言われたことはありませんし、それなりにいい点数がもらえているので問題はないのかなという印象です。ただし、ネイティブのような洗練された文章が書けているわけではないので向上の余地はまだまだあります。

留学前のTOEFLは最高24点でした。

スピーキング

これには多くの日本人同様一番苦労しています。日常会話ならばそれほど問題ありませんが、講義での発表やグループ討議で自分の考えなどの複雑なことをまとめて発言する際には、まずいったん言いたいことを頭の中でそれなりの時間をかけて整理し、それを英語に訳すという作業をしなければなりません。

留学前のTOEFLは恥ずかしながら最高19点でした。今は当時よりもスピーキング力が上がっているとは思いますが、果たしてどれぐらいの点数がとれるのやら。

 

これを見れば分かると思いますが、正直私よりも英語力のある方はごまんといるので、私が英語学習について書いて誰かの役に立つのかとは思います。それでも、自身の英語学習の方向性はこれまでの経験から間違っていないと思っているので、少なくとも将来娘の役に立てばいいなと思って書きます。

 

さて、ここまで書いてきてちょっと長くなりそうなので、これから数回に分けて私が思う英語の学び方について書いていこうかと思います。

はじめに ブログの目的について

みなさんはじめまして。コウラといいます。

 

初めに簡単に自己紹介いたしますと、私は昭和生まれの妻あり子供なしで、現在アメリカの大学院に留学しています。日本にいたときは朝から晩まで会社にいてほとんど家には寝に帰るだけの生活でした。しかし、留学によって時間的な余裕ができたため、新しいことにチャレンジしてみようかと思いブログを始めました。このブログは私が日々の生活を通して感じたことをつづる雑記にしようと思っています。

 

このブログをはじめようと思ったのにはいくつかの理由があります。

まず、来年生まれる予定の第一子となる娘の成長と、それについて私が感じたことをどこかに記録として残したいというのが一番の理由です。次に、大学院の講義やアメリカでの私生活において学んだことや経験を、後日自分自身で振り返りたいため、記録としてどこかに残しておきたいからです。そのほかにも色々な理由がありますが、ここですべて書き出すと煩雑になるので、とりあえずそのほかの主な理由を以下に箇条書きにして後日詳細に書きたいと思います。

 

【そのほかの理由】

  • アメリカでの素晴らしい経験を将来娘に伝えたいから、その経験をその場で文章化しておきたい。
  • アメリカに留学するにあたって日本で英語を自分なりに努力して勉強し、また、現在もアメリカでの生活を通して英語を学んでいるのですが、これらの経験から私が英語教育について思うことを将来的に娘に伝えたいため、それをまとめておきたい。
  • こちらで初めて見たアイスホッケーが人生で一番面白いスポーツになりました。そこで、まだまだ日本ではマイナーなアイスホッケーの魅力を伝えたい。というか、この興奮を自分自身後で振り返りたい。
  • 自分の考えや意見を文章化することでより自分の考えが整理されるし、それによって私生活や会社などで重要な会議からただの雑談まであらゆるコミュニケーションがしやすくなるかもしれないという期待。
  • ブログを持つことによって、日々の生活でブログのネタになることを探すようになり、より能動的に生活を楽しむことができるかもしれないという期待。
  • その他、優待株のことなど。

 

 

書き出してみると、(まだ生まれてもいないのに)娘関連が多いですね。それだけ楽しみにしているのだと自分自身前向きに解釈しています。

 

要するに、特に決まったテーマのない雑記となりますが、多くの読者を獲得して将来的にはブログの収益化を図っていきたい…などの希望を持っているわけではないので、それでかまわないかなと考えています。

まあ、収益が出るのに越したことはありませんが、それを狙ってアフィリエイトなどをする気力は今のところありませんし、自分の性格上長続きしなさそうです。

 

 

ブログを書くのは初めてであり、誤字脱字や乱文、単純な魅せ方(デコレーション)の面で見にくいところもあるかと思いますが、お付き合いいただければ幸いです。

基本的に課題などは後回しにするタイプの怠惰な性格なので、正直言ってこのブログが続くかどうか自分でも怪しいところですが、とりあえず週に2回以上は何かしらを書いていくことが目標です。よろしくお願いします。